英数学院だより(2023.10月号)

良い参考書・問題集とは

書店などで参考書や問題集をお買い求めの際、どんな点に注意すべきでしょうか。主に中学生向きに考えていきたいと思います。
参考書ですが、教科書を読んで理解できないときに詳しい解説を知りたいという時に有効です。できれば、学習者が実際に目にして選んで頂ければと思います。
定着するには当然演習が必要となるので、別に問題集があると良いです。こちらについては、いろいろ思うところがあります。

理系教科は、しっかり自分で解けそうなレベルのものを購入していただければと思います。分厚いとモチベーションを保ちにくいので、薄いものが理想です。少し高くなるかもしれませんが、単元ごとに分冊でも良いのではないでしょうか。何度も解き直しできるよう、ノートにやりましょう。フォント、字の大きさ、字間などが取っつきやすいもの、継続して学習しやすいものを選びましょう。

文系教科ですが、市販のものでオススメできるものは少ないです。教科書に準拠しているか否かが非常に重要で、学習していない事柄が出てくると、途端にやる気を失ってしまいがちです。例えば、一般的に現在完了形は中3で学習する単元と思われるかもしれませんが、そう決まっている訳ではありません。事実、中2で出てくる教科書もあります。社会は、名称が異なっていたりするケースが多いです。島原の乱、島原・天草一揆、島原・天草の乱…。治外法権、領事裁判権…etc. 教科書によって出てくる人物も違います(いろいろな教科書を学習する生徒が同じ入試を受ける訳ですが、当然併記されているか、そもそも出題されません)。国語の読解問題(教科書外)は、著作権の問題からかあまり良問は少ないように見受けます。もし、神奈川県の入試問題(学校の定期テストも当然類似)を意識するなら、全国共通の市販問題集は効率が悪いかもしれません。

一般的な問題集は全国どの地域の生徒でも解けるような平均的で個性のないものが多いのです。地力を付けるには良いですが、神奈川の入試で高得点を狙うのでしたら、似た傾向の問題を多く訓練したほうが効率的です(受験生は特に時間が限られています)。神奈川で出ない詩・漢文や漢字の書き取り、自由作文のような練習をする時間を別のことに費やすべきです。

たまにお薦めを聞かれます。時折書店に足を運び、使えそうな教材はないか調べることもあります。ただ、ほとんど空振りに終わります。学習塾向けに卸している教材会社の問題集より優れたものは見当たらないというのが現時点での私の考えです。お値段も同じくらいで(送料はかかりますが)、学習塾側からの要望も取り入れ長年研鑽を重ねたものなので、太刀打ちできるものは少ないと思います。また、教科書準拠・神奈川県特化の教材が多いというのもメリットです。

結論は、最高の参考書は教科書であり、最高の演習問題は教材会社の問題集。それが終了したら過去問です。

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