石虎将軍の故事

中学生・特に中3はまもなく後期中間テストを迎えます。目標を立て、勉学に励むと思いますが、目標を達成できるか否かの最終的な差は、「一念」がです。念力と言ってもいいでしょう。今日は、有名な故事を紹介します。

昔、中国の漢の時代に李広(りこう)という人がいた。李広の父は幼少の時に亡くなっていた。
李広は成長して大きくなると、母に「人には皆、父がいるのに、なぜ自分にはいないのですか」と尋(たず)ねた。母は泣く泣く、「父が無くておまえが生まれるわけがない。父はおまえが小さい時、虎(とら)に食われた。今思っても哀(あわ)れなことだ」と言って悲嘆(ひたん)の涙にくれてしまった。
李広はこれを聞いて一度は悲しみ、一度は怒って、「我、男と生まれた以上、父のあだを取らないわけにはいかない。敵(かたき)と共に同じ天を仰ぎたくない(必ず殺してやる)、ぜひとも復讐したい」と心に誓った。
これより毎夜、虎のいそうな野辺(のべ)に忍(しの)びてチャンスを伺っていた。そして、ある日の夕暮れ、草むらをかすかに見渡すと一匹の虎がうずくまっていた。李広は大いに喜び、これこそ父の敵と矢を放った。すると手ごたえがあり、矢は突き刺さった。
李広は「あら嬉しや、日頃の念願が成就(じょうじゅ)した」と喜んだが、近付いてみるとこれはどうしたことか、虎ではなく一つの大きな石であった。しかも矢は羽ぶくらを過ぎた所まで刺さっていた。李広は大いに驚き、我が弓勢が勝れているから矢じりが立ったのかと思ったが、あまりにも納得がいかなかったので、石が柔らかかったからかと思い、試しにもう一度矢を放ったが、矢じりが砕(くだ)けて飛び散ってしまった。
さては初めの矢が立ったのは父の敵の虎と思う念力が岩を通したのであろうと、大いに感嘆して帰宅したのであった。これより李広を石虎将軍と呼ぶようになった。

目標を実現するために必要なのは、一念の強さです! 「絶対やってみせるんだ」という強き深き一念を!

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