2年連続全員第一志望校合格の理由
某ゼミナールが「第一志望合格率92%」と謳っているので、もっと宣伝したほうがいいのかなぁと思い立ちまして、英数学院はなぜ2年続けて全員合格できたのかを分析したいと思います(ちなみに、推薦入学はこの2年いません。全員学力試験を受けて合格しました)。
まず、合格率は多くの受験生を抱えれば下がります。分母が大きくなることもありますが、一人ひとりに目が行き届かなくなることも一因です。
また現実として定員割れする学校もあります。人気のある上位校を受ける場合は不合格のリスクが生じます。
当学院生徒の進学校は公にしていませんが(この2年は定員割れした学校を受けた子はいないと記憶しています)、1.5倍前後の人気校も受けています。また志望校に関してですが、「その学校は(合格は無理なので)受けてはいけません」という進路指導はしていません。基本、生徒が行きたい学校を受けさせました(通いたくない学校を受けても、モチベーションが続きません)。保護者から「経済的に私立校進学は経済的に厳しい」と伝えられている場合は、志望校の翻意を促します(ここ数年は、そのような生徒と保護者の意見が相反するケースはありませんでした)。「どうしてもこの学校に行きたい」と子どもが訴える原因の一つに、他の学校をあまり知らないというケースがあります。学校は、できるだけ実際に数多く見るよう指導しています。
後はどうやって勉強させるかですが、内申点が確定し志望校を決めたら、①入試で合計何点必要かを伝え ②どの教科で何点取るかの目標を立てさせ ④どの設問で点を取り、どの設問を後回しにするかなどを決め、一緒に作戦を練ります。受験生はこの時点で入試まで時間が限られています。模試などのデータを参考に、効率よく学ぶ方法やペース配分のアドバイスをします。自立学習ができない子には学習計画表を立てさせます。苦しみながら取り組まなければいけない局面も時にはありますが、長続きしませんし、受験が終わったら学びを止めてしまいます。「一生涯学び続けて欲しい」というのが私どもの考えです。高校受験は「計画を立て、勇気を出して実行し、結果を導き出す」初めての成功体験となり得ます。この経験は生涯の財産となります。できるだけこの歓喜を味わって欲しいというのが私どもの願いです。よって、理想の志望校は「少し頑張れば、手の届くところ」です。無謀な戦いはあまり意味がありません(途中でモチベーションが萎えることも起こります)。
この先の人生で、多くの困難が待ち受けるでしょう。努力しても報われないことがたくさんあることも知るでしょう。ただ勉強は、受験はやり方さえ間違えなければ、努力が報われやすい困難です。果敢に立ち向かってほしいです。行動するのは子どもたちです。私たちは導き、サポートすることしかできません。
とはいえ、人間は弱い生き物です。なかなか取り組めない子には、勇気を出して適した環境に飛び込むことを推奨します。個別指導ですが、周りには熱心に取り組む友だちもいれば、同じ受験生もいます。自習をしている人を見たら何かしら刺激を受けるでしょう。自宅は誘惑が多いので、よほど自分に厳しい子でない限り勉強する環境としてはお薦めできません。すぐ眠れるし楽なのは分かりますが(笑)。
ということで、特別なことはしていません。担任制個別指導なので、生徒の様子や学習状況は把握しやすい面はあると思います。「一生に一度くらい死に物狂いで取り組んでみたら」とよく言います。今回できなければ、一生そういうことができない可能性もあります。それができたら、これからも必要な状況において自分の能力を最大限に発揮できるはずです。
定員があるので、不合格者は出ます。彼らを分類すると、①勉強しなかった子、しても勉強量が足りなかった子 ②やり方を間違えていた子 ③そもそも無謀な志望校を選んだ子… これに尽きます。塾生であってもそうでなくても、努力した子が全員報われることを願っています。