なぜ覚えられないのか
「暗記が得意な子=勉強ができる」という時代は終わりました。社会科も一概に「暗記すれば点数が取れる」というものではなくなりました。テストなどを見ると、なぜそうなるのかを考えさせるような問題が見受けられます。しかし、一定の知識が頭に入っていないと、その背景は考えられません。つまり暗記の要素は全くなくなった訳ではないのです。もし「覚えるのが苦手」という方は、この記事を読んで覚え方を見直してみてはいかがでしょう。
1.エビングハウスの忘却(ぼうきゃく)曲線 ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、人は時間とともにどれだけ忘れるかを数値化しました。人は1度学習した内容を2日かけて一気に忘れます。復習をしない場合、定着しないまま、ゆっくりと下降していきます。
一方、2日後、1週間後、1ヶ月後に同じ内容を反復した場合、かなり高い割合で定着しています。暗記が得意な人なんていません。みんなこの作業をしています。授業を受けて、それっきりにしていませんか。せっかく真剣に聞いたのに、もったいないですよ。
2.意味 0318という4ケタの数字を暗記できますか? これを見ても2日後には忘れていますよね(笑)。なぜなら意味がないからです。でも、「これが私の誕生日です」と伝えたらどうですか?!
みなさんは自分のご両親の誕生日は覚えていますよね。覚えられないことなんて実はないのです。皆さんが勝手に「これは覚えても意味がない」と無意識に心の中で判断してしまっているのです。世の中にムダなことはありません。小学校・中学校の内容は必ず将来役に立ちます。今「これはムダだ」と決めつけてしまうことは、自分の可能性を狭(せば)めてしまい、それ以上成長できない原因になります。
「なんのためにやるのか」と思い悩むより、「自分を磨くため」と思ってください。
3.楽しく 中途半端にやるから覚えられないし、楽しくないのです。やるときは徹底的に。私も覚えるのは苦手だったので、「一生忘れないように」という心持ちで真剣に取り組みました。また、楽しく続くよう工夫しましょう。ゲーム性を取り入れて「10分で単語3コ覚える」→テスト→「できなかったら、罰ゲーム」など。
<まとめ>
・何かを学ぶ時、その知識があなたにとって意味のあるものであったり重要なものである場合、暗記は楽。そう思うことができるかは、あなたの心持ち次第。
・一度目の学習より二度目以降の学習の方が簡単になる。復習を重ねるごとに忘れにくくなる。
・一度にたくさん学ぶよりも、時間をかけて何度かに分けて学んだ方が、学習効率は上がる。
・学習時間は、1日に30分やってやりっぱなしより、10分を3回(同じものを)やりましょう。
・学んだ直後から物忘れは始まる。最初は一気に忘れ、次第にゆっくりと忘れるようになる。