勝利に必要なことは“準備”がすべて(ナポレオンと靴下)
フランス革命期の軍人・革命家のナポレオン・ボナパルト(後にフランス第一帝政の皇帝に就任し、ナポレオン1世)は、戦場で圧倒的な強さを誇りました。歴史上でも屈指の「戦に強い指揮官」でした。彼は「兵士の足」を戦争遂行の基礎と考えていました。そのため、兵士の靴や靴下にまで細かく指示を出していました。
普通は武器弾薬などを重視するかもしれませんが、そこが同時代の将軍たちとは一線を画した彼の強さの一端です。
ナポレオンは遠征や行軍の際、靴の質・サイズ・靴下の支給状況や消耗の度合いについて、将校や補給担当に細かく報告させました。「兵士の足が健全でなければ、大砲も軍隊も役に立たない」こんな趣旨の言葉を残しました。
当時の戦争では長距離行軍が常態で、靴擦れ・凍傷・感染症は戦死以上に兵力を削ぐ要因でした。靴下が不足すると、①足に豆や傷ができる ②行軍速度が落ちる ③脱落兵が増える という連鎖が起きます。ナポレオンはこれを熟知しており、靴下の欠乏=戦力低下と捉えていました。
大切な試験を前にした生徒たちには「本番の前に、集中力を削る小さな不快要因を潰せ」という教訓にもなるのではないでしょうか。
まもなく神奈川県公立高校入試です。筆記用具はここで述べている靴や靴下と同じです。神奈川は例年全教科で記述問題は2問だけ。他はマークシートです。つまり95%以上は選択肢の欄に色を塗る作業になります。受験生には(模試を受けている段階から)鉛筆を用意するように口を酸っぱくして伝えています。シャーペンの芯が試験中に出てこなくなったとき、何秒ロスするでしょう。各教科時間内に終えるのが難しいボリュームです。ナポレオンが受験生だったら、どのような準備を整えるでしょう。
何より大切なことは、試験本番に健康な状態で試験会場にいることです。もう15歳です。体調管理は自分でしっかり行わなければなりません。部屋の湿度、適度な運動とリラックス、充分な睡眠(寝る前のスマホは控えましょう)…。勉強は定着したことを確認する作業がメインとなり、学力を伸ばすことよりもこうした調整の時間が主となります。
私は30年以上受験と関わり続けていますが、当日自分の力を最大限に発揮できるよう調整できる「大人」は全員志望校に入っています。どこかに慢心があったり、すべて親任せで自立から程遠い状態の生徒は毎回苦労しています。
前日にやることと食事、就寝時間、当日起きる時間、何時何分の交通機関に乗るか(雪の場合はどうするか)、持ち物、試験中に体調が悪くなった時の対応…。この日に賭けている生徒はすべてもう準備しています。
今の受験生にとって、勝利に必要なことはあらゆることを想定した「準備」です。1日1日、準備(予定を立てる)と行動を繰り返してください。それはやがて日常となり、あなたの人生を輝かせていくことなるはずです。

