私立高校を語る2

私自身が私立高校に進学しました。さまざまな情報はいろいろな媒体から収集できると思うので、私の経験談をお話させて頂きます。

初めは公立志望でした。兄弟が多かったので、私立も魅力的な学校がありましたが、あまり家計に負担はかけたくないという理由からでした。
当時は併願優遇という制度が無く、「滑り止め」として自分の学力より低めの学校を一般受験で受けるという形が主流でした。私は少し変わっていて(真似はしないでください)、公立第一志望、少し自分の力より上の私立校を2校受けました。力試しという感覚だったと思います。内申が低く(特に副教科)、公立向きではないことは確かでした。

7月に生徒の皆さんの何人かには話しましたが、中3の夏に大病をし入院。ほとんど勉強ができませんでした。退院後も病気の後遺症から頭痛に悩まされ、コンディションはよくありませんでした。大切な中3の2学期の定期テストでは、体調不良で得意だった英語のテストで途中退席してトイレへ駆け込み、答案用紙の1/3が空欄で終了時間を迎えました。3年の内申は極めて不本意な結果となりました。なので、かなり開き直っていたと思います。

私は公立受験の勉強と、私立一般受験の勉強を両立しました。公立は5教科。私立は3教科でしたが難易度が高い。教科書内容以上の力を求められます。過去問を見て、それに見合った参考書や問題集を買ってきて学習しました。この両立はお薦めできませんが、1つだけ利点がありました。公立の問題を簡単に感じるようになったことです。また、受験する2校のうち難度の高い私立A校の問題に触れると、少し難度の落ちる私立B校は解きやすくなりました。

結果として私立B校の合格を勝ち取り、公立校は棄権することになりました。親がB校に行った方がいいと勧めてくれました。

私立の学校にはさまざまな地域から生徒が通ってきていて(当時神奈川県公立入試は学区制)、とても刺激になり視野が広がりました。
中高一貫校なので中学から在籍している生徒と混ざる訳ですが、彼らの多くの堕落ぶりも驚きました(笑)。中学受験の過酷さ、高校はエスカレーターで行けるという環境はそうさせるに十分だったのでしょう。時折中学受験の相談も受けますが、そうした実態はお話させて頂いています。
高校生はアルバイトもできるし、中学より自由度が増します。私立の規則の厳しさは今となっては自分にとって良かったと思えます。

私と同じ年に生まれた人の4年生大学進学率は約25%でした。今より大学の数が少なく、第2次ベビーブーム世代のため人口が多かったのです。大学に進学したくてもできない人が多くいました。そんな状況で目標だった進学を達成できたのは、偏に高校受験の成功体験が大きかったと思います。病気なども重なり過酷な状況でしたが、乗り越えることができたのは大きな自信となり、その後の人生に良い影響を及ぼしました。

人から「もうよしなさい」と言われそうになるくらい机に向かいました。自分で「努力」と思っている段階はまだ甘いです(笑)。自分の限界に挑んだ毎日はかけがえのない財産です。勉強に限らず、「寝食を忘れ没頭できるものに出会って欲しい」と願います。その取り組み方は、私の場合受験勉強で学びました。

 

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