私立高校を語る

英数学院は「公立高校受験に強い」というイメージが地域で強いかと思いますが、今年度は約3割の受験生が単願・一般受験によって私立校に進学しました。近年首都圏で私立校志望者が増えてきた背景について、分析したいと思います。

<高校無償化について>
公立高校は2025年度から始まっており、私立高校は2026年度から本格的にスタートします。 私立高校は全国平均授業料相当(45万7,000円)まで支給される予定です(国による一律支給で、各都道府県による支援額は含みません)。なお、対象は授業料のみであり、入学金や教科書代、制服代、遠足・部活動費など、授業料以外の費用(学校検定金やPTA会費など)は引き続き家庭の負担となります。

<私立は学校によってカラーが鮮明>
普通科の場合、公立校では差別化が難しいですが、私立は力を入れているカリキュラムや目指す教育理念などで独自色があり、たとえ併願優遇であってもしっかり調べたほうが良いです。
公立校の教員は公務員なのに対し、私立校の教員はいわゆるサラリーマンなので、その働きぶりで評価を受けるためか大変仕事熱心です。分かりやすく言えば、生徒が入学してこないとその学校は潰れます。魅力的な学校にして生き残ろうと独自色を出したり、面倒見が良いことも含め、日夜奮闘しています。いつも頭が下がる思いです。

<学習塾との関係>
英数学院には頻繁に私立の広報担当の先生が訪問してくださります。進学実績等の紹介であったり、説明会やイベントの案等内で足繁く通ってくださります(公立校の先生はほとんどありません)。個人的な繋がりがある先生も多く、気軽に相談に乗ってくれます。一昔前は、休みの日に情報交換をするような関係性もあったと聞いています。同じ民間教育業なので、学習塾とは最も親和性があると言っても過言ではありません。

<公立一本で臨む場合>
併願優遇で私立校に合格し、公立高校を万が一不合格になった場合は、合格している私立に入学しなければなりません。そのため、経済的な事情で「私立校を受けない」という受験生も過去稀にいましたが、三者面談において多くの場合担任教師に止められます。「2次募集がある」と思われるかもしれません。2回目のチャレンジができる(欠員が生じている)高校は、人気のない学校(普通科ではなかったり、市外の遠隔地にあったり、問題生徒が多い等)と思っていただけたらと思います。高卒は社会で最強の資格です。3年間通学することを考えたら、2ランク程下げて受験するのが現実的です(仮に魅力的な学校に欠員があったとしても、高倍率になります)。

<受験は、初めて自ら進路を選択する自立の第一歩>
高校受験は「子ども」から「大人」に成長する貴重な機会です。日常的にサポートするご家族の意向、家庭の経済的な状況を抜きのわがままな進路選択は慎むべきです。ご両親から理解や同意を得ることは必須です。特に公立受験の場合、条件は他の志願者と一緒ではありません(内申点によって、有利不利が生まれます)。戦略なき戦いは無謀です。
社会に出る準備期間であり、知力・体力が最も充実する大切な時間を過ごすからには、できるだけ多くの学校を調べ、比較し、自分に合っているかを自身の目で見て確認しましょう。高校の先生は学校の良い面しかアピールしません。2校や3校で判断せずにたくさん話を聞きましょう。
受験勉強、副教科を含めた内申を上げる戦い、勉強以外の活動に勤しんでいる生徒も中にはいます。受験日がある以上、時間は有限です。そして唯一全員に平等です。スケジュールをしっかり立て、自分やご家庭の状況に照らし合わせて自身の「一番校」を選んで頂けたらと思います。

どんなに頑張っても不合格になることはあります。それが受験であり人生です。結果がどうあれ、目標を立ててそこに向かって努力できたなら、入学した学校があなたにとっての一番校であるということを忘れないでください。

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