国語の受講者が増えています
すべての教科は「読解」だと言ってしまっても過言ではありません。文章題で立式できない、設問の意味が読み取れない…詰まるところ、広く言えば「国語力」が不足していると思われます。
最近、国語を履修していただく方が増えて、嬉しく思っています。国語力がつけば学力は勝手に伸びていきます。逆に、他教科の指導で限界にぶち当たったとき、「国語力をなんとかしたい…」と考えても、その時間で読解練習をさせる訳にはいきません。国語の強化は他教科へ波及します。すぐには実を結びませんが、気がつけば思考力という名の広大な“視野”を手に入れられます。どこまででも一人で歩いて行くことができます。最も「自立」に近道の科目だとも思っています。これまで多くの生徒を指導してきましたが、国語の力がある子は一人ももれなくしっかりしています。
英数学院の国語指導の取り組みについて、ご説明します。学年、選択するコマ数、生徒の学力によって多少違いますが、以下の点は大まかな方向性です。
① 語彙を増やす
中学生は時間短縮のため、スマホ(マナーモードにして)やタブレットで調べてもらっています。例文もあるので、それに沿った意味を選択していただきます。
② 短文を作る
調べただけでは身につきません。日常よく使われる語彙をピックアップして、文章を作成してもらいます。
③ 教科書外の読解問題に触れ、視野を広げる
小学生は一気にやる気が萎えてしまう場合があるので、うまく教科書内容を交えながら(コマ数との兼ね合いもあります)。中学生は試験前にしっかり教科書内容を行います。
④ 文法指導
読解力不足の根本は文法があやふやだからなのでは、と考えます。主語は? 修飾語は? どの言葉を修飾しているか? 突き詰めると多くの生徒が躓きます。小学高学年の生徒には、主な品詞も指導します。中学での英語指導にも役に立つ、国語と英語で使われる文法を混ぜ合わせた指導をします。
⑤ 漢字はテストを頻繁に
授業中に漢字練習をするのは勿体ないので、家庭学習で補ってもらいます。定着しているかの確認を塾では行います。
テストをしてみると多くの生徒に小学校内容の漢字が定着していないことが分かります。
「紅潮」「沿革」「資格」「推しはかる」令和6年高校入試で出題された漢字です。すべて小学5,6年生で学習する字です。語彙力の強化は漢字対策にもつながります。
⑥ 本の貸し出し
子どもたちには楽しんで欲しいと伝えています。活字を嫌と思わないよう、習慣づけを心がけています。
⑦ 授業は楽しく
「国語は退屈だ」と思われないよう、授業を楽しんで受けてもらえるよう(つまり受け身にならないよう)心がけています。
今の子どもたちに一番身につけてほしい力は? と聞かれたら、「言語化能力」です。いくら素晴らしい知見があっても、言語にしないと伝わらない。口頭でもいいですが、時代を超えて繋がっていく架け橋は「文字(言葉)」です。今、学んでいること、感じていることを自分の視点で言葉にしたとき、それは時に人や社会をも動かす力もあることを知って欲しいです。