受験生の皆さんへ 前篇「人間の脳は穴のいくつか空いたバケツです」
個人的に受験は、人生の中で最も自分を鍛えられた経験の一つです。志望校合格という目標は勿論重要ですが、そこへ至る過程の中でどれだけ自身の壁や限界を打ち破れたか。そういった人間的成長こそ実は大事ではないか、その経験がこれからの人生で起こるさまざまな問題を乗り越え強さとなるのではないかと考えています。
・受験勉強について
学校の定期テストは範囲が決まっており、多くの人は試験範囲の発表から短期間で猛烈に取り組んだと思います。入試は小学校6年・中学3年間で学習したすべてが範囲であり、これまでの取り組み方とは変えなければならないのはお分かりでしょう。学習した内容がピンポイントで出る確率は少ないです。しかし、学んだことからしか答えは出せません。出来る限り多くの知識をインプット(読む、知る、考える)し、アウトプット(まとめる、書き出す、図や自分の言葉にする)するというサイクルを増やしましょう。
・人間は忘れる生き物です
皆さんは若いのであまり自覚していないと思います。例えて言うなら人間の脳は「穴がいくつか空いたバケツ」です。2時間学習してバケツをいっぱいにしたとしましょう。翌日には、バケツの中に入っていた水が少なくなっています。翌々日には、さらに水は減っているでしょう。なくなった水を常に補充しながら、さらに多くのバケツに水を入れていくことが勉強です。「反復」・「継続」こそ、膨大な範囲を定着させるのに必要な作業なのです。「1度やったから大丈夫」というのは妄想です(笑)。根気の要る作業ですが、これに尽きると思います。