令和4年度 神奈川県公立高校入試 総評
英語
英単語を書かせる問題がなくなった。原形不定詞、現在完了進行形、仮定法過去など今年度から学習指導要領に加えられた単元も満遍なく出題された。
後半の読解問題は比較的解きやすかったが、その前の問題でいかに時間をかけずに解けるかが鍵。特に問7(ア)の割引後の価格を求める計算問題。慣れていないと焦って時間ばかり経ってしまう。
英文法の正しい知識と、英文をすばやく読み解く力が求められる。
(加藤敦子・長江広紀)
国語
問一の漢字はやや難しくなった。短歌鑑賞の配点が2点から4点に。歌の特長(語句表現、色の変化)をしっかり捉えられれば選択に迷いはない。
問三は論説文。(イ)本文中の設問として文法が移行した。代表的『ない』なので、平易。(エ)以降4点配点問題は、論説文で使われる哲学チックな言語を並び立てられ、やや主張のポイントが煙に巻かれ気味であった。
問四古文。十訓抄は鎌倉時代の儒教的思想が流れる教訓的説話集。話の筋を素直に捉える必要。法事の重要性を理解し、誰が誰に対して使われたのか、主語をしっかり読み取らないと何を物語っているのか途中で混乱しがちになる。
来年度の設問設定を予想できる入試問題だった。変化があった分、受験生の心中は揺らいだと思う。平均点は昨年よりやや低くなると思われる。
(間瀬則子)
数学
前半は解きやすい問いで良かったが、その後は少し時間を必要とする問いがあり、時間不足になったかもしれない。
問3(エ)、問6(ウ)の補助線が必要な問いは分かりにくかったと思われる。
また、解答の仕方が昨年までにはなかったパターンが6問あり、戸惑った受験生もいたかもしれない。
(角功一)
理科
全体的に基本知識があれば解くことができる問いが多かった。平均点は高いのではないか。
ダニエル電池は今年度から学習指導要領に追加された単元。消化酵素についての問いをはじめ、理科では表・グラフの数字などをきちんと使える事が重要。
(角功一)
社会
地理では、地図、資料の読み取り、グラフから読み取る力が試された。割合を求める計算力(できるだけ時間をかけない訓練)も必要。
歴史は、資料から答えを導き出していく問いや年代順に並べるなど、過去の問題傾向から踏襲。教科書ではお馴染みの19世紀後半の東アジア情勢の風刺画の内容についての出題は目新しかった。
公民は、昨年に比べ、幅広い正確な知識を求められた。記述問題はなくなったが選択肢が8択ある問題など、時間を要する問いが多かった。平均点は下がると思われる。
今後の勉強法については、単純な知識を身に着けるのみならず、資料を正確にすばやく読み解く練習が不可欠。
(長江広紀)