英数学院だより(2022.12月号)

模試の活用法2 ー志望校判定の闇ー

今月上旬、とある中3生から「今からでも入塾は可能でしょうか?!」と問合せがありました。場合によっては基礎からやり直しとなるため時間が足りません。「内申も良いし、全県模試の判定も悪くない」とのこと。「お話だけ伺いましょう」となりました。正直、内申も全県模試もあまり信じません。内申というのは学校によって成判断基準がバラバラで、学力は判断しかねます。幸い、ご本人がいらっしゃることができたので、面談してみて「この志望校では難しい」と判断し、お断りいたしました。

その時に、「模試の志望校判定で、多くの受験生がこれだけ踊らされている」状況を危惧しました。模試は、入試予想問題を解く予行演習と口を酸っぱくして言いますが、受けた後の判定をあまりにも気にしすぎて、解けなかった問題を振り返りもしないのはもったいないという話は前回しました。今日は、判定がどれだけ参考になるかをずっと受験生を見てきた立場から客観的にお伝えします。中3生が12月頃に受けた場合とお考え下さい。

 

・模試A
県内で最も人気がありますね。ひとえに判定が甘いからに他なりません。問題は良質なので、何点取れたかで自分を見つめることができるなら、活用のしがいはあるでしょう。
判定は~%ですが、これは人によって80%で安心する子、「まだ危ない」と感じる子、さまざまだと思います。正直、「模試で~%出たから勉強しなくても大丈夫」と油断する子は合格できません。それでも、少しでも不安を取り除く意味で言わせて頂くなら、出願に値する判定は「95%」ですね。90%だと合否の可能性は半々。それ以下は厳しいです。
今年から、英数学院でも模試Aを受験できるようになりましたが、中1・中2の模試が他になかったからと、うちで受けずにこっそり受ける子が多くなってきたからです。受験料が高いですね。ただ繰り返しますが、問題は良いです。

 

・模試B
判定は、上からS、A、B、C…と出ますが、中3の受験期にAだと合否の確率は半々です。受けた結果で、どれだけ奮起して勉強に打ち込むかにかかってきます(S判定が出る子でも決して慢心せず、入試が終わるまで必死に勉強します)。Bだと他の学校を勧めざるを得ません(過去にB判定で受験した子に奇跡が起こったことはありません)。「どうしても公立」なら、S判定の状況で受験することをお勧めします。

高校入試は、結局理科・社会で安定して点数を取れるかです。模試Aで80点取れる子は模試Bでも80点取れます。そういう意味でも最も安心して見ていられるのが、理科・社会の得点力です。この両科目、範囲があまりにも広いため、一夜漬けでは勉強しきれません。しかも、各分野から満遍なく出題されます。楽に点数が取れる方法はありません。時間はかかります。その代わり、やりきればかなり合格は保障されます。

模擬テスト会社も商売ですから、受験者が増えるよう考えているのです。皆さんはそんな思惑にひっかからないで、逆にうまく活用してください。

繰り返します。 何を勉強したらいいか悩んだら、理科・社会を。「細かくきちっとやって、それで終わり」より、「大まかでもいいから、何度も反復」です。「きっちり」を反復するのがベストですが。暗記しようとせず、考えながら問題を解きましょう。それから、短いものでいいから毎日文章を読む習慣をつけましょう。気づいたら、力がついています。

コメントを残す